最先端の機能を備えた HERO7 Black を紹介する「モードの違いをマスターする」シリーズ。今回は、この製品の目には見えない改善点、オーディオについて取り上げます。

以下の説明は、音響設計主任エンジニアのエリック・ティッシュによるものです。

録音でも再生でも、一般的に高性能オーディオといえば完全に制御された環境を想像します。例えばミュージシャンの演奏を漏らさず録音する密閉されたスタジオや、耳に直接サウンドを届けるヘッドフォンなどの環境です。

しかし GoPro オーディオの課題は、まず制御されていない環境でサウンドを録音する点にありました。GoPro カメラは、水中でも水上でも、またマウンテン バイクのハンドルバーなどの場所にも取り付けられます。そして使用している間中ずっと、静かな会話の細部までも録音する精度が求められます。あらゆる状況で驚くようなエクスペリエンスを再現し、その瞬間の記憶が呼び覚まされる作品にするためには、オーディオは欠かすことのできない要素です。

標準的なマイクと、GoPro 搭載のマイクにはいくつかの違いがあります。まず、標準的なマイクの設計は、幅広い環境に対応していません。わずかな圧力の変動がマイクの振動板を揺らし、サウンドに誤認される電気信号を作り出すことがあります。GoPro ではこのような誤作動を防ぎ、自然なサウンドを録音できることを目標としました。

たとえば、マイクのポートに吹き付ける強風や、ロード バイクのフレームの振動などは、たとえ実際にノイズを作り出していなくてもサウンドと誤認される可能性があります。

そしてマイクが本質的に防水ではないという点も大きな問題になります。このような理由から、GoPro のマイクには何らかの保護対策が必要となることがわかるでしょう。

マイクの性能に影響を与えることなく、いかにマイクを保護するかがポイントです。プラスチックの箱に入れればマイクを簡単に水から保護できますが、マイクにサウンドが届かなくなってしまいます。HERO7 には、カメラの各マイクと連携して機能する専用の二次防水メンブレンが採用されています。

この二次メンブレンは、これまでのメンブレンよりも軽く耐久性にも優れており、マイクを確実に保護しながら微妙なサウンドを拾うことも可能にします。また、マイクに搭載されているこの防水メンブレンは、振動に対する感度を抑えるように最適化されています。

HERO7 Black では、マイク保護機能の統合に最高水準の正確さと配慮が求められました。オーディオ システムは、しっかりと制御された設計とプロセスを通して、状況を予測しながら確実に動作します。信頼できる音質を実現することはもちろん、風音の除去、ステレオの作成、防水、音声コマンドへの応答など、高度なオーディオ処理にマイクの信号が使用されます。こうしたすべての技術が、HERO7 におけるオーディオ品質の向上に関係しています。

上記のビデオをご覧いただければ、マウンテン バイクに乗りながら風などの影響を受けているにも関わらず、オーディオがはっきりと音声を録音していることが分かります。もう 1 つの重要な要素が防水です。GoPro は水中で頻繁に使用されます。

通常のマイク ポートだと、水が容易に浸入します。水が除去されるまで、サウンドはこもったような音になってしまいます。この問題を解決するため、HERO7 に搭載されているマイクの 1 つには、水をほぼ瞬時に排出できる特殊な形状を採用しました。

マイク ポートに水が詰まった状況が検出されると、自動的にこのマイクが選択されます。そのため水中からカメラを取りだした直後でも、サウンドを録音し逃すことがありません。

こうして、HERO7 で録音されたオーディオは自然で臨場感に溢れたサウンドを再現できます。さらには定評の高い GoPro の堅牢性に対するニーズにもしっかりと応えます。

プロからのヒントを参考に、さらなるオーディオの向上を目指してください。

  • Protune では、RAW オーディオをオンにして、オーディオの非圧縮バージョン (個別の 4 チャネル WAV ファイル) を取得します。
    • RAW オーディオを「低」に設定すると、非圧縮マイク信号 3 つすべてがポストプロダクションで再生されます。これらのマイクはワイド ダイナミック レンジのため、信号のレベルが非常に低くなる場合がある点に注意してください。
    • RAW オーディオを「中」に設定すると、ダイナミック レンジの圧縮なしで処理された 2 チャンネルの信号が再生されます。
    • RAW オーディオを「高」に設定すると、ダイナミック レンジの圧縮ありで処理された 2 チャンネルの信号が再生されます。
  • Protune では、アクティビティに合わせて、「マイク設定」を「自動」、「ウィンド」、「ステレオ」に切り替えます。
    • 自動は、「ウィンド」と「ステレオ」でオーディオの処理を動的に切り替えて、あらゆる状況について最適化します。HERO7 Black では「自動」に初期設定されています。
    • ウィンド モードは、HERO7 の 3 つのマイクすべてを使うことで、風のある状況でも、信号が非常に明瞭になります。この設定は、「中」または「高」に設定されている MP4 ファイルおよび RAW WAV ファイルのオーディオの結果に影響します。RAW オーディオの「低」モードには影響しません。
  • ショットをフレーミングする際は、風を考慮して GoPro をマウントする位置を検討してください。対象物が風上にこないようにマウントします。対象物が風の中を移動すると、マウントされているマイクに影響して、サウンドに乱れが生じます。
  • オーディオを録音する最適な場所と、最適な画像を撮影できる場所は、必ずしも同じではないことに注意してください。HERO7 Black の外部マイク サポートを使い、マイクをカメラとは別の場所に配置し、画像とオーディオを個別に最適化してください。

その他のヒントとコツおよび「モードの違いをマスターする」のシリーズは、こちらをご覧ください。